知っているようでよく知らない「第3号被保険者制度」
結婚をして初めて実感する「第3号被保険者」
一旦「第3号被保険者」になると、やめられません。
「第3号被保険者制度」を勉強してみましょう。
いつから始まった
昭和61年4月1日(1986)から始まりました。夫が厚生年金か共済年金に加入している場合。
その妻は、国民年金を払わなくても、払ったことになるのです。
なんと支給年齢に達すると年金が普通にもらえる制度なのです。
そしてなんとなんと、加入期間25年に満たなくても、加入期間として支給されるのです。
国民年金制度が始まった昭和36年4月(1961)から、昭和61年3月までの期間については「合算対象期間(カラ期間)」として扱われます。
加入していたことにはするけど、支給金額には計算しないということです。
何故かというと、昭和36年4月(1961)から昭和61年3月までは任意加入でした。
加入していなかった人も、25年加入を満たすことが出来ない人が出るために考えられた制度です。
更になんと、なんと健康保険料まで、夫の健康保険の扶養になるのです。
健康保険料も免除になります。
「第3号被保険者」とは
「第1号被保険者」とは、国民年金保険者で、自分で保険料を払わないといけません。20歳以上60歳未満の国民は全員払わないといけません。
毎月\16,260(平成28年度)を学生さんから無職の失業者の人まで払う義務があるのです。
夫が国民年金加入者は、その妻も国民年金加入者なので、二人で\32,520を毎月払います。
その他に国民健康保険料を納めるのです。
「第2号被保険者」とは、会社員などの厚生年金、共済年金保険者加入者です。
月額の報酬によって保険料が変わります。
本人負担額と同額を会社が負担していきます。
結果、個人負担額の2倍を納めることになります。
個人負担額が国民年金と同様の月額報酬は
東京都の15等級、175,000~185,000の月額報酬で。
健康保険料(介護保険適用)\10,386。厚生年金\16,363になります。
会社は、合計して¥43,112を支払うのです。
「第3号被保険者」とは、自分で保険料を払わなくても、払ったことにみなされる被保険者です。
自分の収入が年収130万以下であれば、「第3号被保険者」になれるのです。
パートの健康保険・厚生年金の加入者を増やそうとする政府の動きがあります。
2016年10月からは従業員501人以上の大企業に限り、週20時間、年収106万円以上のパート労働者に適用拡大となりました。
健康保険・厚生年金の最低加入月額報酬は\58,000から加入できます。(2017年時点)
健康保険・厚生年金に加入している夫(妻)の年収が\70万程度であっても。
その妻(夫)の収入が130万以下であれば、「第3号被保険者」になれるのです。
扶養者の年収が2倍あっても国民年金と健康保険料を払わなくていいのです。
そして 、妻が厚生年金に加入してれば扶養されている夫が「第3号被保険者」になることが出来るのです。
「第3号被保険者制度」が出来た理由
第3号被保険者制度ができた1985年の時点では、厚生年金は世帯単位で設計されており、夫名義の年金で夫婦2人が生活できるような給付となっていました。昭和36年4月(1961)から昭和61年3月(1986)までは任意加入でした。
任意で加入していた妻は、そのまま40年間保険料を納め続けると夫の厚生年金と妻の国民年金を合わせて、現役世代の収入よりも年金額が多くなる可能性が出ました。
そこで、厚生年金加入者の妻の国民年金分を重複しないように無料にしたのです。
これにより厚生年金加入者の妻は自分が納めたことになり、個人名義で管理されるようになったのです。
離婚した場合や障害年金の受給も個人で恩恵を受けることが出来るようになりました。
しかし、問題点もたくさん指摘されています。
方向的には徐々に、縮小されていくでしょう。
「第3号被保険者」の問題点
- 自営業者や厚生年金加入していない夫の妻と比べて優遇され過ぎている。
- 独身でまじめに国民年金を納めている女性との不公平感が大きい。
- 働きたい女性の社会進出を妨げている。
悪い制度だと思います。
どうして会社と国が個人の年金を増やして負担しないといけないのでしょうか。
企業の負担が大きいから、加入しない、加入させない企業が増えるのです。
公務員の会社負担分は税金です。
国民年金を払わない国民が増えている中で、国民年金の基礎年金は、消費税を上げて、国民全員で負担して、無料にするべきでしょう。
国民年金の受給額と生活保護の受給額は最低同じにすれば、老後の生活保護者は居なくなります。
そして基礎年金に上乗せして払った年金は、払った分に比例してもらえる制度が必要です。
最低加入年数は廃止して、1年から比例して払った分に比例して受給できる制度にすれば、国民全員年金を払うでしょう。
生活保護者も年金受給者も消費税を払います。
脱税して、所得税を払っていない脱税者も収入に応じて消費します。
法人税を納めていない企業も消費税は納めます。
そんな風になってくれればいいなと思います。
政治家が票集めで、支持団体からの要望を聞かなければ実現できるでしょう。
実現・改善できなければ、条件がそろえば制度を利用すればいいのです。
大いに「第3号被保険者」特権を利用しましょう。
そしてたくさん勉強しましょう。
学校の勉強をしろと言っているわけではありません。
社会の制度、税制や年金・保険の制度を勉強しないと損をします。
いや、損をしないけど、勉強して知っている人は得をしていると云うことです。
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